経済学研究科経済政策専攻は、標準修業年限二年の修士課程とそれに引き続く、同じく三年の博士(後期)課程に区分されている。修士課程は、1970年、本道私大最初の大学院として、戦後日本における高度成長の見直しが求められている中で、新しい視点に立った北海道開発という地域社会の要請に応えて新設された。したがって狭義の経済政策のみならず、経済の理論や歴史・統計さらには経営学、会計学、商学に関する教授スタッフを擁している。そして32単位を修得して修士論文の審査と試験に合格することによって経済学修士の学位を受けることができ、これは、博士(後期)課程に進むための条件になるとともに高等学校教諭専修免許状を取得するための条件にもなる。本研究科は、開設以来四半世紀にわたり、大学教授をはじめ有為な人材を教育・行政・産業などの各界に送るとともに、近年、外国人学生の受け入れ、社会人への門戸開放によって、社会的にもきわめて高い評価を得ている。1995年、本研究科は経済政策専攻の修士課程において導入している全期間夜間履修を含む「教育方法の特例」を博士(後期)課程においても実施している。大学などにおける自立的な研究者のみならず、地域社会の専門分野において必要な能力と豊かな学識を有する人材を要請することによって、現代的・社会的期待に応えようとしたからに他ならない。
大学審議会から1991年に公表された「大学院の整備充実について」の答申は、近年における学術研究の進展や技術革新、社会経済の高度化・複雑化・国際化・情報化などによって、大学院の役割がきわめて重要になっている状況を捉え、「大学院部会における審議の概要について」の中で、既に需要が顕在化している「高度の専門的知識・能力を持つ人材を目的とする分野」の一つとして「地域研究」が挙げられている。振り返ってみると、本学は1950年北海短期大学経済学科を新設し、1952年北海学園大学経済学部一部、翌年二部を開設した。開設の際の申請書には「北海道の開発と文化向上とに寄与し、ひいては我国経済復興と発展とに貢献することを使命とするものである」として開学の精神をうたっている。
本研究科博士(後期)課程のカリキュラムは、現代的な「地域研究」の成果を取り入れ地域社会に立脚しながら国際化した経済政策問題を理論的・実証的に分析するとともに、経済政策を具体的・総合的に立案・計画する能力の向上を目指して編成された。そして、数多くの「地域研究」をすすめ優れた業績を上げている本学「開発研究所」における調査・研究活動との協力によって、また本研究科と北海道大学大学院経済学研究科との、いわゆる「単位互換協定」に基づく研究活動と連携した、研究指導体制の充実をはかっている。博士(後期)課程においては、12単位を修得し、研究指導を受け、博士論文の審査および試験に合格すると、経済学博士の学位が授与されるが、国際的水準に照らして、斬新性・独自性が求められる博士論文の作成は並大抵の努力ではできない。しかし、優秀な教授スタッフの指導に支えられ、深い現代的問題意識に根ざして行う自発的研究生活は、必ずや生涯忘れ難い精神的な宝物となるであろう。